【建設業許可】欠格要件(欠格事由)とは?誠実性に関する要件って何?
建設業許可申請をするとき、経営業務の管理責任者を設置する要件や、財産や営業所に関する要件など、いくつかの要件を満たしている必要があります。
その中に欠格要件と誠実性に関する要件というものがあります。欠格要件に該当した場合や誠実性に関する要件を満たさないと、建設業許可申請をすることができません。
では、この欠格要件や誠実性に関する要件とはどのようなものなのでしょうか?
この記事では、建設業許可でとても重要な欠格要件と誠実性に関する要件について解説させていただきます。
建設業許可の欠格要件(欠格事由)とは?
まずは建設業許可の欠格要件から見ていきます。
前述したように、この欠格要件に該当していると許可申請をすることができません。
では、欠格要件は誰が該当していると申請することができないのでしょうか?
建設業許可の欠格要件の対象者
建設業の欠格要件の対象者は次の者になります。
欠格要件の対象者
- 申請者
- 未成年者の法定代理人
- 法人の役員等
- 政令で定める使用人
法人の役員等とは、取締役や執行役、持分会社の業務を執行する社員、組合等の理事、相談役、顧問など、かなり広い範囲の者が対象になります。
建設業許可の欠格要件
欠格要件の対象者が分かったところで、次に欠格要件の中身を見ていきます。
まず1つ目の欠格要件は、書類についてです。書類とは、許可申請書や添付書類のことです。
それらの書類の重要な事項に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載が欠けている場合は、欠格要件に該当するとされています。
2つ目の欠格要件は、建設業法で定められた要件になります。
対象者が次の項目に該当する場合は、建設業許可申請をすることができません。
※建設業法の条文のままだと分かりにくいので、一部要約しています。
建設業許可の欠格要件
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 一般建設業の許可または特定建設業の許可を取り消され、その取り消しの日から5年を経過しない者
- 一般建設業の許可または特定建設業の許可の取り消しの処分に係る聴聞通知を受け取った後、廃業の届出をした場合に届出から5年を経過しない者
- 聴聞通知を受け取った日から取り消し処分がされた日までの間に廃業の届出をした場合、聴聞通知を受け取った日から遡って60日までの間に当該廃業届出をした法人の役員もしくは政令使用人であった者で、廃業届出の日から5年を経過しないもの
- 営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
- 営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
- 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建設業法等に違反したこと、または刑法の罪もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
対象者が上記の項目に該当しないこととされています。
ざっくりと言うと、法に反したことがある者や暴力団員だった者でも一定期間を経過している場合であれば、建設業許可申請をすることができるということです。
欠格要件に該当するかどうかが不安な方は、申請前に管轄の行政庁で判断してもらうようにしましょう。
建設業許可の誠実性に関する要件とは?
次に建設業許可の誠実性に関する要件について見ていきます。
対象となる者は欠格要件のときとほぼ同じです。
誠実性に関する要件を満たすためには、次のような人物であることが求められます。
誠実性に関する要件
請負契約に関して「不正または不誠実な行為」をするおそれが明らかな者でないこと
「不正または不誠実な行為」について補足で説明します。
「不正な行為」とは、請負契約の締結や履行の際に、詐欺や脅迫等をするなどの法律に反する行為をいいます。
「不誠実な行為」とは、請負契約に違反した工事内容や工期などを行う行為のことです。
また、不正または不誠実な行為を過去に行って、免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者は、誠実性に関する要件を満たしません。
そのような者は、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者として取り扱われるからです。
まとめ
建設業許可申請の欠格要件と誠実性に関する要件について解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?
建設業許可の欠格要件と誠実性に関する要件は、申請をするうえでとでも重要な要件であることを理解していただけたかと思います。
この記事に書かれていること以外で、建設業許可の欠格要件と誠実性に関する要件について疑問などがあれば、管轄の行政庁や建設業許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。