【建設業許可】営業所の要件とは?営業所に設置する必要があるのはどんな人?
建設業許可申請をするとき、財産的基礎等に関する要件を満たす必要があったり、常勤役員等や専任技術者の要件を満たす者を設置したりと、様々な要件を満たさなければなりません。
それらの要件の一つに、営業所の要件というものがあります。この営業所の要件も建設業許可申請をするときに、とても大事な要件になります。
では、営業所の要件とは一体どのような要件なのでしょうか?
この記事では建設業許可申請にとって、とても大事な要件である営業所の要件について解説させていただきます。
建設業許可の営業所とは?
まず建設業許可申請の営業所の要件の解説をする前に、営業所の種類について見ていきましょう。
建設業の営業所の種類は、主たる営業所と従たる営業所の2種類になります。ざっくりと説明すると本店と支店のようなものですが、建設業においては注意すべき点がいくつかあります。
建設業では主たる営業所は必ず設置することとされています。しかし、登記簿上の本店であっても後述する要件を満たしていない場合は、主たる営業所とはなりません。この場合は、要件を満たした営業所を主たる営業所にすることになります。
従たる営業所は、主たる営業所以外の営業所のことをいいます。
この主たる営業所と従たる営業所を同一都道府県内に設置したのか、それとも異なる都道府県に設置したのかで、建設業許可申請の申請区分(知事許可・大臣許可)が決まるため、しっかりと意識しておく必要があります。
建設業許可の営業所の要件とは?
それでは、ここからは建設業許可申請の営業所の要件を解説していきます。
建設業許可申請の営業所の要件は物的要件と人的要件の2つに分けられます。物的要件とは、営業所として備えていなければならない条件などのことです。人的要件とは、営業所に設置しなければならない人に関する要件をいいます。
まずは営業所の物的要件から見ていきましょう。
営業所の物的要件
建設業許可申請の営業所の物的要件は次のとおりです。
営業所の物的要件
- 契約を締結する場所であること
- 電話、机、台帳等を備えていること
- 他の会社と明確に区分されていること
- 自宅兼営業所の場合は住居スペースと明確に区分されていること
- 事業として使用する権限を有していること
- 看板・標識等が掲示してあること
建設業許可申請をするときは、上記の要件をすべて満たす必要があります。
いくつか補足で説明します。
まず契約を締結する場所であることですが、これは一番大事な要件になります。例えば、会社内での名称は営業所であっても、実態が休憩をするための場所であれば、建設業において営業所とはなりません。その場所で契約を締結するかどうかは必ず確認するようにしましょう。
他の会社と明確に区分されていることとは、申請する法人(個人事業主)だけの独立した営業所である場合は問題にはなりませんが、他の法人や他の個人事業主と共同で営業所を利用するときに気をつけなければいけません。
共同で営業所を利用する場合は、他の法人などと間仕切り等で明確に区分されている必要があります。
また似たようなケースで、自宅兼営業所とする場合も同じように、居住部分と適切に区別されていて独立性が保たれていなければならないので気をつけましょう。
事業として使用する権限を有していることとは、使用する営業所が自己所有物件か賃貸借契約等を締結している物件であることをいいます。したがって賃貸借契約等を締結していても、それが住居専用契約である場合は、原則として認められないことになります。
それでは次に営業所の人的要件を見ていきましょう。
営業所の人的要件
建設業許可申請の営業所の人的要件は次のとおりです。
営業所の人的要件
- 常勤役員等が常勤していること
- 専任技術者が常勤していること
- 令第3条の使用人が常勤していること
営業所に応じて上記の人を設置することになります。
主たる営業所に設置が必要なのは、常勤役員等と専任技術書です。従たる営業所は令3条の使用人と専任技術者の設置が必要です。
また常勤役員等と専任技術者は誰でもなれるわけではなく、それぞれ要件があるため、それらの要件を満たしていなければなりません。
それぞれの要件は下の記事で詳しく解説しています。
※ちなみに経営業務の管理責任者と常勤役員等は同じ意味です。
まとめ
建設業許可申請の営業所について解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?
営業所の要件には物的要件と人的要件があり、それぞれの要件を満たす必要があること、また営業所の種類は主たる事務所と従たる事務所の2種類があり、人的要件において設置する人が営業所の種類ごとに異なるなどということをご理解いただけたかと思います。
またこの記事に書かれていること以外で、建設業許可申請の営業所について疑問等があれば、管轄の行政庁や建設業許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。